
経営事項審査の改正|令和8年7月施行の変更点と申請実務【2026年】
経営事項審査の改正|令和8年7月施行の変更点と申請実務【2026年】
令和8年7月1日以降に申請する経営事項審査には改正後基準が適用されるため、行政書士事務所は審査基準日ではなく申請日で顧客を仕分ける必要があります。決算日が改正前でも申請が同日以降なら新基準となる一方、自主宣言の5点は審査基準日と宣言日の前後関係で判定します。
本記事では、令和8年改正によるW点の変更を一次資料に基づいて整理し、複数顧客を扱う事務所向けに準備工程へ落とし込みます。申請日、審査基準日、証憑、担当を分けて管理すれば、制度の読み違いと回収漏れを同時に防げます。
| 判定すること | 基準となる日 | 事務所で確認する内容 |
|---|---|---|
| 改正後基準の適用 | 申請日 | 令和8年7月1日以降の申請か |
| 自主宣言5点 | 審査基準日 | 審査基準日が宣言日以降か、宣言書と誓約書があるか |
| CCUS就業履歴 | 審査基準日 | 申告する工事範囲と確認資料が一致するか |
| 建設機械 | 審査基準日 | 機種、所有・リース、検査資料がそろうか |
令和8年7月の経営事項審査改正とは

経審改正後の基準は令和8年7月1日以降の申請に適用される
国土交通省の経営事項審査の主な改正事項は、改正後基準を令和8年7月1日以降の申請に適用すると明記しています。審査基準日が令和8年6月30日以前でも、申請日が7月1日以降なら改正後のW点で審査されます。
事務所では、まず各顧客の提出予定日を確定し、旧基準と新基準の境界を案件台帳へ記録します。制度全体を確認するときは経営事項審査の実務ガイドもあわせて使うと、改正項目を受審工程の中に位置づけやすくなります。
経審の自主宣言加点は審査基準日と宣言日の前後で決まる
自主宣言の5点は改正の適用日とは別の時計で判定します。審査基準日が宣言日以降であり、申請時に宣言書と誓約書を提出することが加点要件なので、申請直前に宣言しても過去の審査基準日にはさかのぼりません。
顧客別の受審表には、申請予定日と審査基準日を別列で持たせ、さらに宣言日を記録します。3つの日付を一つの「基準日」欄へまとめると、改正は適用されるのに自主宣言は加点されない案件を見落としやすくなります。
令和8年改正で変わったW点の4項目

経審W点に自主宣言5点が新設されCCUS配点が見直された
W点には「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言の有無が5点の項目として新設されました。同時にCCUS就業履歴の配点は、民間工事を含む全建設工事が10点、全公共工事が5点へ見直されています。
自主宣言とCCUSは別項目であり、一方の取組がもう一方の不足を補う仕組みではありません。事務所は宣言書・誓約書とCCUSの確認資料を分け、各項目について審査基準日時点の要件を個別に確認します。W点と総合評定値の関係は経審P点を上げる方法で確認できます。
経審W7の対象に建設機械2機種が追加された
W7の建設機械には、不整地運搬車とアスファルト・フィニッシャが追加されました。従前の9機種と合わせて対象は11機種となり、保有台数に応じて14台以上で最大15点となります。
機種名だけでなく、審査基準日時点の所有またはリースと、機種に応じた検査資料まで確認する必要があります。顧客から機械一覧を受け取った段階で対象候補を仕分け、契約書や検査記録の回収担当を決めておくと申請前の集中作業を減らせます。
雇用保険・健康保険・厚生年金保険の3項目は経審W点から削除された
雇用保険、健康保険、厚生年金保険の加入状況は、令和8年改正でW点の審査項目から削除されました。改正後のW点合計は最高237点、最低マイナス90点で、改正前の最低マイナス210点から下限が変わります。
削除の理由は、社会保険加入が建設業許可の要件となり、許可業者が満たす前提になったためです。経審の確認表から外す項目と、建設業許可の維持確認として残す項目を分け、社会保険自体が不要になったと顧客へ説明しないようにします。
顧客別に改正対応を進める3ステップ

経審の申請予定日で改正適用の前後を仕分ける
第1ステップは、受任中と更新見込みを含む全顧客について、経審の申請予定日を一覧にすることです。令和8年7月1日より前か同日以降かで分け、予定日が未確定の案件には確定担当と確認期限を置きます。
決算期だけで改正適用を判断すると、申請準備の遅れで新基準へ移る案件を取りこぼします。経審の年間スケジュールを基礎に、決算日から申請までの工程と提出予定日の変更履歴を併記する運用が有効です。
経審の審査基準日ごとに加点候補と証憑を棚卸しする
第2ステップは、顧客の審査基準日時点で自主宣言、CCUS就業履歴、建設機械の候補を棚卸しすることです。申請日によって新基準の対象を決めた後、各加点項目は審査基準日時点の事実と証憑で確認します。
棚卸し表には、加点候補、根拠資料、保管場所、回収状況、確認者を持たせます。候補だけを点数へ先に反映せず、証憑が不足する項目は「未回収」として申告判断から分けておくと、レビュー時の根拠が明確になります。
経審申請前レビューで未回収資料と担当を確定する
第3ステップは、申請前レビューで未回収資料、顧客への照会事項、最終確認者を確定することです。自主宣言書と誓約書、CCUSの確認資料、建設機械の契約・検査資料を項目別に点検し、回答待ちを担当者不明のまま残しません。
レビュー日は申請予定日から逆算して設定し、資料不足時の再照会期限も記録します。一次確認と最終確認を分けることで、制度解釈の確認と単純な添付漏れの確認を同じ担当者の記憶だけに依存せずに済みます。
建設業許可HUBでは、顧客ごとに申請日、審査基準日、証憑の回収状況、担当者をカスタム項目で管理できます。改正対応の一覧化についてはお問い合わせから資料請求を選択してください。
行政書士事務所で改正案件を管理する方法

経審改正案件の顧客台帳に基準日・申請日・確認状況を持たせる
複数顧客を同時に扱う事務所では、「顧客 × 申請日 × 審査基準日 × 影響項目 × 必要証憑 × 担当」のマトリクスが改正対応の基礎になります。この表は建設業許可HUBの顧客、期限、カスタム項目の実装仕様を、経審改正の確認工程へ対応させたものです。
| 顧客別の列 | 記録する内容 | 判定に使う場面 |
|---|---|---|
| 申請日 | 予定日・確定日 | 改正後基準の適用判定 |
| 審査基準日 | 対象決算日 | 加点事実の時点確認 |
| 影響項目 | 自主宣言・CCUS・機械・社会保険 | 確認範囲の確定 |
| 必要証憑 | 宣言書・誓約書・契約・検査記録など | 申告根拠の確認 |
| 担当・状況 | 回収者・確認者・未回収理由 | 引継ぎと最終レビュー |
表の状態は「対象外」「候補」「回収中」「確認済み」のように意味を固定し、自由記述だけにしません。担当交代があっても、どの日付で何を判定し、どの資料が不足しているかを引き継げる状態が重要です。
経審の基礎・算定式・年間工程を確認する
今回の改正後も、P点のウェイトは0.25X1、0.15X2、0.20Y、0.25Z、0.15Wです。改正後の総合評定値は最高2,159点、最低163点ですが、X1・X2・Y・Zの詳細算定式はこの記事では再掲しません。
評点構造の詳細は既存のP点解説で確認し、改正案件ではW点の変更と混ぜずにレビューします。2026年の周辺制度を把握する際は建設業界の制度動向も参照し、同記事に今回の改正詳細があるとは扱わず、制度全体の背景として使います。
経営事項審査の改正に関するよくある質問

経審の審査基準日が令和8年6月でも改正後基準になりますか
申請日が令和8年7月1日以降なら改正後基準です。国土交通省「経営事項審査の主な改正事項」は申請日基準と明記しているため、審査基準日だけで旧基準と判断しません。
経審の自主宣言を申請前にすれば必ず5点になりますか
いいえ。国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年2月6日公布)」では、審査基準日が宣言日以降であり、宣言書と誓約書を提出することが条件です。
令和8年改正でP点のウェイトは変わりましたか
国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年2月6日公布)」では、ウェイトは0.25X1、0.15X2、0.20Y、0.25Z、0.15Wのままです。各評点の詳細算定式は既存のP点解説で確認できます。
まとめ
令和8年の経審改正は、申請日が令和8年7月1日以降かを最初に判定し、その後に審査基準日時点の自主宣言、CCUS就業履歴、建設機械を確認します。社会保険3項目はW点から削除されても許可要件には残るため、事務所の確認業務を一括で消してはいけません。
申請日と審査基準日を別列にし、必要証憑、回収状況、担当まで顧客台帳へ持たせると、複数案件でも同じ基準でレビューできます。最新の根拠は令和8年国土交通省告示第262号と申請先の案内で確認してください。
改正対応を顧客別の工程に変える
建設業許可HUBは、顧客・期限・証憑・担当を一つの台帳にまとめ、経審改正の確認状況を事務所内で共有できます。
資料請求や無料での製品体験はお問い合わせ、料金の確認は料金プランからご案内しています。
監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
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