建設業許可の事業譲渡認可|行政書士が担う事前申請の実務手順【2026年版】
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建設業許可の事業譲渡認可|行政書士が担う事前申請の実務手順【2026年版】

2026年7月26日25分で読める

建設業許可の事業譲渡認可とは、建設業者が事業を譲渡する前に、譲受側が許可の地位・許可番号・経営事項審査の結果を空白なく引き継ぐため、建設業法第17条の2に基づき都道府県知事等の事前認可を受ける手続きであり、行政書士は承継日から逆算した申請スケジュールの管理と、譲受側の許可要件の充足立証を代行します。令和2年10月の改正で承継の節が新設され、事前に認可を受ければ許可の空白期間を生じさせずに地位を承継できるようになりました(建設業法第17条の2)。承継日を過ぎてから申請しても遡れないため、行政書士の受任実務では、いつ受付が締まるかの逆算管理が案件の成否を分けます。本記事は、承継日を起点にした逆算スケジュールと譲受側要件の事前確保を、様式番号と期限つきで整理します。

建設業許可の事業譲渡認可における行政書士の代行実務の全体像
建設業許可の事業譲渡認可における行政書士の代行実務の全体像

建設業許可の事業譲渡認可とは(制度と適用範囲)

事業譲渡認可の定義と建設業法第17条の2の位置づけ

事業譲渡認可は、建設業者が営業を譲渡・譲受けする際に、譲受側へ建設業者としての地位を空白なく承継させるための事前認可制度です(建設業法第17条の2)。令和2年10月1日施行の改正で新設された制度で、それ以前は譲受側が新規許可を取り直す必要があり、許可番号の変更と経営事項審査の受け直しが避けられませんでした。認可を受ければ、譲渡日に譲受側が譲渡側の地位を承継し、許可番号と経審結果もそのまま引き継げます。行政書士は、この制度が使える案件か(譲渡側・譲受側とも許可業者か、承継対象業種が一致するか等)を受任時に切り分け、新規取得ルートと認可承継ルートのどちらが顧客に有利かを最初に判定します。手続き体系の全体像は建設業許可の各種手続きの全体像と進め方で確認できます。

事前認可が必須な理由と、相続(第17条の3)・合併分割との違い

事前認可が必須なのは、認可を受けずに承継日を迎えると譲受側が無許可状態になり、500万円以上の工事を請け負えなくなるためです。同じ承継でも根拠条文と期限は分かれます。譲渡・譲受け・合併・分割は建設業法第17条の2の事前認可で、承継日の前に認可を得る必要があります。一方、個人事業主の死亡による相続は第17条の3で、死亡後30日以内の認可申請という事後型の期限です(国土交通省『事業承継等の事前認可制度』)。相続認可の実務は別記事に譲り、本記事は生前の事業譲渡に絞ります。合併・分割も第17条の2の枠内ですが添付書類が増えるため、行政書士は案件類型を最初に確定し、期限の起点(承継予定日か死亡日か)を取り違えないことが第一歩です。

承継対象=建設業者の地位・許可番号・経営事項審査結果の空白ゼロ承継を示す概念図
承継対象=建設業者の地位・許可番号・経営事項審査結果の空白ゼロ承継を示す概念図

行政書士が組む承継日からの逆算スケジュール

承継日を基準にした事前認可申請の逆算タイムライン図
承継日を基準にした事前認可申請の逆算タイムライン図

事前相談〜申請受付〜認可までのタイムライン

承継案件は承継予定日を固定点に逆算します。東京都では譲渡予定日の約4ヶ月前から書類相談ができ、認可申請の受付は承継予定日の2ヶ月前から25日前まで、審査に約25日を要します(東京都『建設業許可申請の手引』)。つまり承継日の25日前を過ぎると受付に間に合わず、その回の承継日に許可を空白なく載せられません。神奈川県では承継日の3ヶ月以上前を目安に着手が案内されるなど都道府県で幅があるため、行政書士は提出先の運用を確認したうえで受任時期を設計します。逆算の要点は次のとおりです。

起点からの時期実務アクション
承継予定日の約4ヶ月前書類事前相談・要件充足の確認を開始
承継予定日の2ヶ月前〜25日前認可申請書の受付期間(東京都の例)
申請受付後 約25日審査期間
承継予定日認可の効力発生・地位承継
承継後確認資料・届出の提出

都道府県別の受付期間・提出様式の差を確認する

認可申請の中心となる様式は、譲渡及び譲受け認可申請書(様式第22号の5)と誓約書(様式第22号の6)です(千葉県『建設業許可の承継の手引』)。ただし別紙や添付書類(登記事項証明書、譲渡契約書の写し、譲受側の要件立証資料等)は都道府県で差があり、受付期間の数値も東京都と神奈川県で異なります。行政書士は、様式番号は共通でも添付と受付期間は提出先ごとに要確認、を前提に、必ず提出先が公表する承継の手引きを一次資料として突合します。手引きの版が新しくなると添付一覧が変わることもあるため、受任のたびに最新版を取得するのが安全です。

承継後の届出・確認資料の提出(期日までの未提出は認可取消リスク)

認可は承継日で効力が生じますが、行政書士の実務は承継後も続きます。承継後は、誓約どおりに確認資料や届出を期日までに提出する必要があり、未提出は認可の取消しにつながるリスクがあります(千葉県『建設業許可の承継の手引』)。具体的な提出物・期日は都道府県の手引きで定められるため、承継日をゴールにせず、承継後に定められた提出期日までをスケジュールに組み込みます。行政書士は認可通知の受領、確認資料の提出、そして次回更新・決算変更届・経審の起点日リセットまでを一連のタスクとして顧客カードに引き継ぎ、承継直後の期限漏れを防ぎます。

譲受側の許可要件を事前チェックする(受任時の肝)

認可は許可要件の充足が前提のため、譲受側が承継時点で許可基準を満たしているかを受任初期に洗い出します。

譲受側の経管・営業所技術者等・財産的基礎・業種区分の事前チェックリスト図
譲受側の経管・営業所技術者等・財産的基礎・業種区分の事前チェックリスト図

経営業務管理責任者・営業所技術者等の常勤性を承継前に確保する

譲受側に常勤の経営業務管理責任者(経管)と営業所技術者等がそろっていることを承継前に確認します。譲渡側の人材が承継後も譲受側で常勤するのか、譲受側が自前で確保するのかで立証書類が変わります。経管は建設業に関する経営経験の年数要件、営業所技術者等は資格または実務経験の要件を満たす常勤者が必要です。行政書士は受任初期にこの2要件の穴を洗い出し、承継日までに常勤性(社会保険加入・勤務実態)を書類で固めます。詳細は経営業務管理責任者の要件と常勤性の立証営業所技術者等の要件で確認できます。

財産的基礎(一般=自己資本500万円等)の立証準備

譲受側は財産的基礎の要件も承継時点で満たす必要があります。一般建設業では自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力等が基準です。承継では譲受側の直近決算や残高証明で立証するため、承継日と決算期・残高証明の取得日がずれると立証しにくくなります。行政書士は承継予定日から逆算して、残高証明の取得タイミングや決算書の準備を段取りします。特定建設業を含む承継では自己資本・欠損比率・流動比率など要件が重くなるため、対象に特定が含まれるかを早期に確認します。立証実務の詳細は財産的基礎の要件と残高証明で解説しています。

業種区分(29業種)の突合と欠格要件の確認

承継では、譲渡側が持つ許可業種を譲受側が過不足なく引き継げるかを29業種単位で突合します。譲受側が承継したい業種の要件(技術者等)を満たしていなければ、その業種は承継できません。あわせて役員等の欠格要件(禁錮以上の刑、暴力団関係等)の該当有無も承継前に確認します。行政書士は、譲渡側の許可通知書・許可業種と譲受側の技術者配置を一覧で突き合わせ、承継できる業種と落ちる業種を切り分けます。業種の区分と要件は建設業29業種の区分で整理しています。

許可番号・経営事項審査結果の空白ゼロ承継とツール管理

建設業許可HUBでの許可番号・期限の逆算管理イメージ図
建設業許可HUBでの許可番号・期限の逆算管理イメージ図

許可番号・有効期限・次回更新/決算変更届/経審有効期限を1カードで逆算管理する

認可により譲受側は許可番号と経営事項審査の結果を空白なく承継します(国土交通省『建設業者の地位の承継について』)。承継直後は、引き継いだ許可の次回更新・決算変更届・経審有効期限の起点日を再設定し、期限漏れを防ぐ管理が要ります。建設業許可HUB(自社プロダクト)は許可番号・有効期限・経管・営業所技術者等をマスタ管理し、5年更新と決算変更届(事業年度終了後4ヶ月)の期限を自動計算して90/60/30日前に多段アラートを出します。承継案件では、承継日を起点に下表の期限を1顧客カードで逆算管理できます。

承継後に管理する期限起点・目安
認可申請の受付期間承継予定日の2ヶ月前〜25日前
承継後の確認資料提出都道府県の手引きが定める期日
引き継いだ許可の更新有効期間5年・満了30日前まで
決算変更届事業年度終了後4ヶ月以内
経営事項審査結果の有効期限審査基準日から1年7ヶ月

(出所:建設業許可HUB機能マスタ〈自社プロダクト一次情報〉および建設業許可・経審実務者ヒアリング知見)

引き継いだ許可の更新申請の手続きと実務決算変更届の実務経営事項審査の年間スケジュールは、承継後に起点日が変わる点に注意します。こうした期限の逆算を顧客ごとに仕組み化する考え方は建設業許可のCRM・顧客管理で整理しています。

M&A仲介・デューデリジェンスとの連携

事業譲渡は M&A の一形態のため、承継案件は M&A 仲介会社や税理士・弁護士と並走することがあります。行政書士の担当領域は、建設業許可の承継可否の判定と認可申請の実行です。買い手のデューデリジェンスでは、許可が承継できるか、承継後に空白が生じないかが論点になるため、行政書士は許可・要件面の可否を早期に回答し、承継日の逆算スケジュールを共有します。企業価値評価や契約条件の交渉は他士業の領域で、行政書士は許可承継の確実な実行に専念することで、案件全体の許可リスクを抑えます。

よくある質問

Q1. 事業譲渡の認可は、承継(譲渡)日の後に申請してもよいですか?

A. いいえ。譲渡・譲受は「事前認可」制度で、承継日の前に認可を受けておく必要があります。事前に認可を受けていないと許可が空白になり、譲受側は無許可状態で建設業を営めません(出典: 建設業法第17条の2/国土交通省「事業承継等の事前認可制度」)。

Q2. 認可申請の手数料はいくらですか?新規許可の9万円がかかりますか?

A. 新規・更新の許可手数料(知事新規9万円・更新5万円)とは別枠で、承継の認可申請自体の手数料の扱いは自治体により異なります。断定できないため、提出先の都道府県が公表する「建設業許可の承継の手引き」で必ず確認してください(出典: 各都道府県「建設業許可の承継の手引き」)。

Q3. いつから準備を始めればよいですか?

A. 都道府県により異なりますが、東京都では譲渡予定日の4ヶ月前から書類相談ができ、申請受付は承継予定日の2ヶ月前〜25日前、審査に約25日を要します(出典: 東京都「建設業許可申請の手引」)。神奈川県では承継日の3ヶ月以上前を目安に申請着手が案内されており、行政書士は承継日から逆算して受任時期を設計します。

Q4. 譲受側は元の許可番号や経営事項審査の結果を引き継げますか?

A. はい。認可により譲受側が建設業者の地位を承継し、許可番号・経営事項審査の結果も空白なく引き継がれます(出典: 国土交通省「建設業者の地位の承継について(法第17条の2・3)」)。

Q5. 譲受側に経営業務管理責任者や営業所技術者等がいない場合はどうなりますか?

A. 認可は許可要件の充足が前提です。承継前に常勤の経営業務管理責任者・営業所技術者等を確保しておく必要があります。要件の詳細は経管・営業所技術者等の各要件記事を参照してください(出典: 建設業法の許可基準)。

Q6. 認可申請で使う主な様式は何ですか?

A. 譲渡及び譲受け認可申請書(様式第22号の5)、誓約書(様式第22号の6)などです。添付書類や別紙は都道府県ごとに異なるため、提出先の承継の手引きで確認してください(出典: 各都道府県「建設業許可の承継の手引き」)。

まとめ

建設業許可の事業譲渡認可は、承継日の前に認可を受ける事前認可制度で、承継日を過ぎてからは遡れません(建設業法第17条の2)。行政書士の実務は、(1)承継予定日を固定点にした逆算スケジュール(約4ヶ月前相談・2ヶ月〜25日前受付・約25日審査)、(2)譲受側の経管・営業所技術者等・財産的基礎・業種区分の事前確保、(3)承継後の確認資料提出と期限の起点リセット、の3点に集約されます。様式番号や受付期間・添付は都道府県で差があるため、提出先の承継の手引きを一次資料として突合し、許可番号・経審結果を空白ゼロで引き継ぐことが承継案件の成否を分けます。


承継案件の期限を1カードで逆算管理

建設業許可HUBは、許可番号・有効期限・経管・営業所技術者等をマスタ管理し、5年更新や決算変更届の期限を自動計算して90/60/30日前に多段アラートで通知します。

料金・機能の詳細や無料での製品体験については、お問い合わせからご案内しています。

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