
技術職員名簿の書き方|経審の資格・在籍・業種確認【2026年版】
技術職員名簿は前年データを写すのではなく、審査基準日時点の資格・在籍・裏付け資料を顧客ごとに再判定して作成します。
技術職員名簿とは、経営規模等評価で審査基準日時点の技術的能力を確認するため、対象職員の情報を記載する名簿です。
作成の起点は、顧客の審査基準日と審査行政庁の現行手引きです。技術者マスタから候補者を抽出し、資格証、講習等、在籍資料、申請する業種、現行コードを一人ずつ照合してから名簿へ転記します。
建設業許可HUBで前年の技術者情報を再利用する場合も、現在値を前年の審査へ遡って当てません。行政書士が基準日時点の事実と資料を確認し、年度別スナップショット、名簿欄、裏付け、レビュー履歴を固定します。
技術職員名簿は審査基準日のスナップショットである

経営規模等評価は国土交通大臣または都道府県知事が行い、技術的能力は、許可要件に該当する者の数、登録基幹技能者講習を修了した者の数等、元請完成工事高により評価されます(建設業法施行規則18条の3第2項)。具体的な業種・資格コードや配点は現行手引きで確認します。
| 確認対象 | 基準日スナップショット方式 | 前年名簿の単純転記 |
|---|---|---|
| 資格 | 基準日時点の資格・講習等と証明書を確認 | 更新・追加・失効等を見落とし得る |
| 在籍 | 基準日時点の在籍事実と資料を確認 | 退職・入社・異動を反映できない |
| 証憑 | 人・資格・期間へ関連付ける | 前年ファイルの所在だけを引き継ぐ |
| 業種・コード | 現行手引きで今回の申請を判定 | 前年コードを無条件で流用する |
| 履歴 | 年度別に確定版を保存 | 現在値で過去版を上書きする |
出典: e-Govの建設業法施行規則18条の3第2項。
経営規模等評価での位置付けを確認する
技術職員名簿は、経審全体のうち技術的能力を確認する資料です。経営事項審査の実務ガイドで対象期と審査工程を確定し、経営事項審査の必要書類と準備の回収表へ技術者資料を置きます。
資格者であることだけで記載可否を決めず、基準日時点の在籍、証明可能な資格、対象業種、審査行政庁の証憑要件を確認します。人数要件、記載可能な業種数、コード、配点は同梱一次資料だけで確定できないため、数値を創作しません。
許可申請の様式第4号と混同しない
建設業許可申請の様式第4号は、法6条1項3号の使用人数を記載する書面です。経審の技術職員名簿ではありません。ファイル名や社内テンプレに「第4号技術者」と付けず、許可書類と経審書類を明確に分けます。
許可申請の営業所技術者等と同じ人が経審の候補になる場合も、目的と判定基準は別です。営業所技術者等の資格・実務経験要件で許可要件を確認し、経審では基準日・現行手引きに照らして再判定します。
記載前に資格・在籍・証憑をそろえる

候補者一覧は、顧客から受領した人員表だけで作りません。氏名、生年月日等の識別情報、雇用・役員等の関係、入退社、資格、合格・交付・講習等の情報、証明資料を一人単位に整理します。
| 技術者マスタ | 基準日スナップショット | 名簿欄 | 裏付け資料 |
|---|---|---|---|
| 氏名・顧客ID | 対象年度、在籍状態 | 本人識別欄 | 在籍資料、本人資料 |
| 資格・講習等 | 基準日時点の状態 | 資格・コード欄 | 合格証明書、免許、修了資料等 |
| 担当・入札予定 | 対象業種の候補 | 業種欄 | 現行手引き、資格対応の確認記録 |
| 変更履歴 | 前年からの差分 | 今回採用値 | 資料受領日、確認者、版 |
資格情報は証明書の版まで確認する
資格名を顧客の申告から略称で登録せず、証明書の正式な記載、交付主体、番号、日付、氏名を確認します。更新・講習・追加資格等が関係する場合は、審査基準日に有効な資料かを現行手引きで確認します。
同じ資格名のファイルが複数あるときは、最新版だけを残して過去版を消さず、どの年度スナップショットでどの版を採用したかを記録します。氏名変更がある場合も本人同一性と証明書の扱いを確認します。
在籍情報は審査基準日と結び付ける
申請日に在籍していることだけでは、審査基準日時点の在籍を示せません。入社日、退職日、基準日、資料の対象期間を並べ、基準日に在籍していた事実を確認します。入社後の一律月数を全国ルールとして設定しません。
在籍の確認資料は審査行政庁の現行手引きで確定します。建設業許可の常勤性確認実務と資料が重なる場合も、許可の常勤性と経審名簿の在籍確認を同じ結論にせず、目的別の確認記録を残します。
業種・資格コードは現行手引きで判定する

業種・資格コードは前年の名簿からコピーせず、今回参照する審査行政庁の現行手引きとコード表で確認します。手引きの名称、版、確認日を案件に残し、改訂前後のコード表が同じフォルダで混在しないようにします。
入札予定と現行コード表を照合する
顧客が受審する業種と将来の入札予定を確認し、各技術者の資格がどの業種へ対応するかを一人ずつ判定します。記載可能業種数や配点は現行手引きで確定し、記憶に基づく上限や点数を本文・案件へ入力しません。
判定表には、技術者、資格、候補業種、採用業種、コード、根拠の手引き箇所、確認者を置きます。顧客希望だけで採用せず、資料で確認できない行は未確定として追加確認へ回します。
入札予定が前年から変わった場合は、前年に採用した業種を前提にせず、今回の受審業種を顧客へ確認します。資格追加があっても、証明資料の受領とコード判定が終わるまでは候補にとどめます。反対に、前年と同じ資格でも現行手引きの改訂があれば、対応業種・コードを再確認します。
判定根拠は「前年どおり」ではなく、手引きの版、参照項目、資格資料、顧客確認日で残します。複数の資格を持つ人は資格ごとに候補行を作り、最終的に名簿へ採用した組合せが追跡できるようにします。
名簿作成後に第二者レビューする

名簿の入力後は、元の技術者マスタだけでなく、資格資料と在籍資料へ戻って三点照合します。氏名、資格、コード、業種、基準日、証憑の対象者が一致するかを、作成者以外が確認します。
名簿と裏付けの不一致を解消する
| レビュー項目 | 不一致例 | 解消方法 | 完了証跡 |
|---|---|---|---|
| 本人 | 表記・生年月日等が一致しない | 本人資料と資格証を再照合 | 確認記録 |
| 資格・業種 | 資格とコード・業種が対応しない | 現行手引きで再判定 | 参照版・箇所 |
| 在籍 | 基準日と資料期間が合わない | 追加資料または対象外判定 | 採否理由 |
| 名簿版 | 修正前の行が残る | 差分レビュー後に提出版固定 | レビュー者・日時 |
補正や顧客回答で名簿を変更したら、変更箇所だけでなく集計・添付への影響も再確認します。作成版、顧客確認版、レビュー済み版、提出版を区別し、最終版だけを受付証跡へ結びます。
レビューで不一致を見つけた場合は、名簿側を証憑に合わせる、追加証憑を求める、対象者から除外する、行政庁へ確認する、のどれかを選びます。修正理由と承認者を残し、証憑の内容を名簿に合わせて読み替えません。除外した候補も削除せず、次年度の再確認対象として理由付きで保存します。
技術者情報を年度ごとに凍結する

現在の技術者マスタは入社、退職、資格追加で変わり続けます。一方、提出済み名簿は審査基準日の事実を示すため、年度別に凍結します。建設業許可HUBでは、現在値と基準日スナップショットを分ける管理例を作れます。
前年再利用と変更履歴を両立する
前年スナップショットから候補者と確認項目を複製し、今回の基準日までの入退社、氏名、資格、講習、業種、手引き改訂を差分として確認します。前年証憑を再利用するときは、今回基準日にも使用できる根拠を確認します。
経営状況分析申請の必要書類と同じ顧客・対象期を参照し、経審工程の版をそろえます。ただし財務工程と技術者工程の完了状態は別にし、双方がそろってから全体レビューへ進めます。
年度確定後に入社・退職・資格追加が起きた場合は、提出済みスナップショットを変更せず、現在の技術者マスタと次回候補を更新します。次の審査基準日が来たら、前回確定版との差分一覧を作り、変更なしの人についても在籍と証憑を再確認します。この循環により、過去の提出根拠と現在の顧客情報を両立できます。
よくある質問
経審の技術職員名簿は様式第4号ですか。
いいえ。様式第4号は建設業許可申請の使用人数です。経審の名簿とは混同しません。
営業所技術者等の一覧と同じですか。
同じ目的ではありません。営業所技術者等は許可要件、技術職員名簿は経営規模等評価の書類です。同じ人物でも別に要件を確認します。
入社後の一律月数で記載可否を判断できますか。
同梱条文では全国共通月数を確定できません。審査行政庁の現行手引きと証憑要件を確認し、版を案件に残します。
まとめ
技術職員名簿は、審査基準日時点の資格、在籍、業種、証憑を確認する年度スナップショットです。許可申請の様式第4号や営業所技術者等一覧とは分け、コードや記載条件は審査行政庁の現行手引きで確定します。
建設業許可HUBで技術者マスタから年度スナップショットを作ると、前年情報を再利用しながら今回の差分を確認できます。行政書士が名簿・資格証・在籍資料を第二者レビューし、提出版と根拠を固定します。
資格・証明資料・年度スナップショットを整理
資格・証明資料・年度スナップショットを整理したい方は、資料請求または無料で製品体験をご選択ください。料金プランも確認できます。
関連記事
導入のご相談を承ります
顧客企業・案件管理、期限自動リマインダ、都道府県別様式の書類作成までこれ1つで。
月額2,980円〜。


