建設業許可の営業所要件|従たる営業所の追加手続きを行政書士が解説【2026年版】
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建設業許可の営業所要件|従たる営業所の追加手続きを行政書士が解説【2026年版】

2026年8月3日20分で読める

建設業法上の「営業所」として認められるには、独立した契約締結スペース・使用権原・令3条使用人と営業所技術者の常勤配置という実体要件を満たす必要があり、従たる営業所を新設する際は、設置先が同一都道府県内なら変更届(新設後30日以内)、他都道府県にまたがるなら大臣許可への「許可換え新規」が必要です。行政書士が顧客(建設業者)の営業所追加を代行するときは、まず設置先の所在地でこの分岐を確定し、実体要件のチェックと期限逆算を並行して進めます。本記事では、営業所の実体要件、新設時の手続き分岐、書類準備と期限管理までを代行実務の順で整理します。

従たる営業所追加の実体要件と手続き分岐の全体像
従たる営業所追加の実体要件と手続き分岐の全体像

建設業法上の「営業所」の実体要件とは

建設業許可でいう「営業所」は看板のある事務所という意味ではなく、常時建設工事の請負契約を締結する実体を備えた拠点を指します。従たる営業所を追加する代行では、この実体要件(物理+人的)を満たせるかを設置前に確認します。

営業所の実体要件チェックリスト(物理要件と人的要件)
営業所の実体要件チェックリスト(物理要件と人的要件)

「営業所」の定義と主たる営業所・従たる営業所の違い

建設業法上の営業所とは、本店・支店または常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいい、単なる登記上の本店や作業員詰所は含みません(建設業許可事務ガイドライン)。主たる営業所は経営業務の管理責任者等を置く拠点、従たる営業所はそれ以外で契約権限を持つ拠点を指します。従たる営業所を新設する際は、その拠点が独立して契約を締結できる実体を備えているかが起点になります。営業所要件は建設業許可の要件全体の一部であり、全体像は建設業許可の要件全体で確認できます。

物理・独立性の要件

営業所と認められるには、外部から来客を迎えて契約できる独立したスペースがあり、居住部分や他の法人・個人事業主とパーテーション等で明確に区分されていることが必要です(建設業許可事務ガイドライン)。あわせて、事務台帳・電話等の設備、その場所を使用する権原(自己所有・賃貸借契約等)、建設業の営業所とわかる看板等の表示も求められます。行政書士の代行実務では、賃貸借契約書・使用承諾書・写真・間取り図で独立性と使用権原を裏づけ、区分が不十分な物件は契約前に是正を助言します。

人的要件=令3条使用人と営業所技術者の常勤配置

従たる営業所には、令3条使用人(建設業法施行令第3条に規定する使用人)と営業所技術者を、いずれも常勤で配置する必要があります。令3条使用人は、その営業所の代表者として請負契約の締結・入札等の権限を持つ者で、主たる営業所以外の営業所に置きます(建設業許可事務ガイドライン)。営業所技術者は、旧・専任技術者にあたる技術者で、常勤で配置します。従たる営業所を1つ増やすたびに、この2名の常勤者を新たに確保する必要がある点が実務上の要注意点です。営業所技術者の資格・指定学科+実務や10年実務等の証明の詳細は営業所技術者(旧・専任技術者)の資格要件で扱います。

従たる営業所を新設するときの手続き分岐

従たる営業所の新設手続きは、設置先が同一都道府県内か他都道府県かで大きく分かれます。行政書士が最初に確定すべきはこの1点で、その後の様式・期限・費用が変わります。変更手続きの全体像は建設業許可の変更手続き全体を前提に読み進めてください。

同一都道府県内に新設する場合=変更届

すでに持っている許可と同じ都道府県内に従たる営業所を新設する場合、許可の取り直しは不要で、「営業所の新設」として変更届で対応します。届出は変更届出書(様式第二十二号の二)を用い、営業所の新設後30日以内に提出します。この30日以内という期限は、令3条使用人・営業所技術者の人的変更(2週間以内)とは別枠である点に注意します。行政書士の代行では、新設の意思決定日を起点に30日を管理し、営業所技術者・令3条使用人の常勤配置を新設と同時に整えます。

他都道府県に新設する場合=大臣許可への「許可換え新規」

知事許可業者が他の都道府県に従たる営業所を新設すると、2以上の都道府県に営業所を置くことになり、国土交通大臣の許可が必要になります(建設業法第3条)。この場合は現在の知事許可では営業できず、大臣許可を取り直す「許可換え新規」の手続きになります。手数料は大臣新規で登録免許税15万円、審査期間はおおむね90日程度が目安です(審査期間は許可行政庁により変動)。従前の知事許可は大臣許可が下りるまで有効なため、空白期間が生じないよう審査期間から逆算して着手します。

同県内/他県の判定フローチャート

行政書士が最初に確認するのは「新設する営業所の所在地が既存許可と同じ都道府県か」の1点です。この分岐で手続きの型が確定します。

同一県内か他県かで変更届/許可換え新規を判定するフローチャート
同一県内か他県かで変更届/許可換え新規を判定するフローチャート
設置先手続き主な様式・期限・費用
同一都道府県内変更届(営業所の新設)様式第二十二号の二・新設後30日以内・許可換え不要
他都道府県許可換え新規(大臣許可)登録免許税15万円・審査約90日

同県内なら変更届で完結し、他県にまたがるなら許可換え新規に切り替える、という順で顧客に説明すると認識のズレを防げます。許可換え新規の申請書一式・審査の詳細は別記事で扱います。

顧客に代わって進める書類準備と期限管理

手続きの型が決まったら、必要書類の収集と期限逆算を並行します。従たる営業所は営業所単位で書類と期限が発生するため、抜けや遅延が起きやすい領域です。

必要書類と期限逆算

従たる営業所の新設では、営業所一覧表(様式第一号別紙二)に新設営業所を記載し、令3条使用人については、令第3条に規定する使用人の一覧表(様式第十一号)と、その住所・生年月日等に関する調書(様式第十三号)を提出します。あわせて、営業所技術者の資格・常勤を確認する資料、使用権原を示す賃貸借契約書等を準備します。変更届は新設後30日以内、令3条使用人・営業所技術者の人的変更は2週間以内が期限で、後者の書式記入は2週間以内の変更届で解説しています。着手日は下表のように期限から逆算します。

変更届30日・許可換え新規90日を起点に着手日を逆算する期限逆算表
変更届30日・許可換え新規90日を起点に着手日を逆算する期限逆算表
手続き起点となる期限逆算した着手目安
同一県内の変更届新設後30日以内に提出新設決定後すぐ書類収集を開始
令3条使用人等の人的変更変更後2週間以内変更予定が判明した時点で準備
他県の許可換え新規審査約90日営業開始希望日の3〜4か月前

複数営業所を抱える顧客の要件・期限を一元管理する

従たる営業所が増えると、営業所ごとに令3条使用人・営業所技術者・許可番号・許可有効期限が積み上がり、常勤配置者の管理対象が営業所数ぶん増えます。建設業許可HUBは、営業所ごとにこれらをマスタとして紐づけて保持し、従たる営業所を追加すると管理対象が構造的に増える点を可視化します(出所: 建設業許可HUB 製品仕様)。

許可番号・営業所技術者・令3条使用人・有効期限を営業所単位でマスタ管理し多段アラートで通知する一元管理イメージ
許可番号・営業所技術者・令3条使用人・有効期限を営業所単位でマスタ管理し多段アラートで通知する一元管理イメージ

さらに、令3条使用人・営業所技術者の変更(2週間)や更新(満了30日前)等の法定期限を自動計算し、90日前・60日前・30日前の多段アラートで通知します(出所: 建設業許可HUB 製品仕様)。複数営業所を抱える顧客ほど、営業所単位のマスタ管理と多段アラートが期限逃れの防止に効きます。

よくある質問

Q1. 従たる営業所を追加するとき、令3条使用人と営業所技術者の両方が必要ですか?

A. はい。主たる営業所以外の営業所(従たる営業所)を設ける場合、その営業所には令3条使用人(建設業法施行令第3条)と営業所技術者を、いずれも常勤で配置する必要があります(建設業許可事務ガイドライン)。

Q2. 同じ都道府県内に営業所を増やす場合、許可を取り直す必要はありますか?

A. いいえ。同一都道府県内での従たる営業所の新設は「営業所の変更」に当たり、新設後30日以内の変更届(変更届出書・様式第二十二号の二)で対応します。新規許可の取り直しは不要です(各都道府県手引き)。

Q3. 他県に営業所を出すと大臣許可になるのはなぜですか?

A. 2以上の都道府県に営業所を置く場合は国土交通大臣許可が必要になるためです(建設業法第3条)。知事許可業者が他県に営業所を新設する場合は「許可換え新規」で大臣許可を取り直します。

Q4. 営業所の「独立性」とは具体的に何を満たせばよいですか?

A. 居住スペースや他の法人・個人事業主とパーテーション等で明確に区分され、外部から来客を迎えて契約できるスペースと使用権原があり、看板等で建設業の営業所とわかる表示があることを指します(建設業許可事務ガイドライン)。

Q5. 従たる営業所の令3条使用人を後日変更したときの届出期限は?

A. 変更後2週間以内です(令3条使用人・営業所技術者などの変更は2週間、商号・営業所所在地・資本金等は30日)。書式と記入の詳細は変更届の解説記事で扱います。

Q6. 許可換え新規の審査期間はどのくらい見込めばよいですか?

A. 大臣許可はおおむね90日程度が目安です。営業できない空白期間が生じないよう、審査期間から逆算して顧客に書類収集を依頼します(審査期間は許可行政庁により変動)。

まとめ

従たる営業所の追加は、まず営業所の実体要件(独立した契約スペース・使用権原・令3条使用人と営業所技術者の常勤配置)を満たせるかを確認し、次に設置先の所在地で手続きを分岐させます。同一都道府県内なら新設後30日以内の変更届、他都道府県にまたがるなら審査約90日の許可換え新規です。行政書士の代行では、この分岐を最初に確定したうえで、必要書類の収集と期限逆算を並行します。営業所が複数になるほど令3条使用人・営業所技術者・許可番号・有効期限が営業所単位で積み上がるため、マスタでの一元管理と多段アラートで期限逃れを防ぐことが実務の鍵になります。


営業所追加の要件・期限を営業所単位で一元管理

建設業許可HUBは、営業所ごとに令3条使用人・営業所技術者・許可番号・許可有効期限をマスタ管理し、更新や決算変更届の期限を自動計算して90日前・60日前・30日前に多段アラートで通知します。複数営業所を抱える顧客の管理も抜け漏れなく代行できます。

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