建設業許可の要件 完全ガイド|経管・営業所技術者等・財産・誠実性・欠格を行政書士が確認する手順【2026年版】
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建設業許可の要件 完全ガイド|経管・営業所技術者等・財産・誠実性・欠格を行政書士が確認する手順【2026年版】

2026年6月26日20分で読める

建設業許可は、経営業務管理責任者・営業所技術者等・財産的基礎・誠実性・欠格の5つの要件をすべて満たして初めて取得できます。行政書士が新規受任した建設業者について最初にすべきは、この5要件を順に当てはめ、「取れるか・どこで詰まるか」を診断することです。

本記事は、行政書士が顧客の建設業者に代わって要件充足を審査・立証する代行実務の視点で、5要件の確認手順を整理した要件特化ガイドです。許可業務全体の年間マップは行政書士の建設業許可業務 完全ガイドで俯瞰できます。本記事はそのうち「要件審査」に縦に掘り下げる入口として機能します。

建設業許可の5要件 全体像
建設業許可の5要件 全体像

建設業許可の5要件とは【一覧早見表】

建設業許可の要件は、建設業法第7条が定める4要件(経営業務管理責任者・営業所技術者等・誠実性・財産的基礎)と、第8条が定める欠格要件を合わせた5つに整理できます。新規受任時は、この5つを漏れなく当てはめれば許可の可否を診断できます。

要件根拠条文確認対象主な確認資料詰まりやすい論点
経営業務管理責任者(経管)建設業法第7条1号常勤役員等登記事項証明書・前職の許可通知書・確定申告書経営経験5年の証明資料が揃わない
営業所技術者等(旧:専任技術者)建設業法第7条2号営業所ごとの常勤技術者資格者証・実務経験証明書・卒業証明書10年実務経験の裏付け資料不足
財産的基礎建設業法第7条4号・第15条自己資本・流動性残高証明書・直近決算の財務諸表特定で自己資本4,000万円に届かない
誠実性建設業法第7条3号役員・令3条使用人誓約書・登記事項証明書過去の処分歴の見落とし
欠格要件建設業法第8条役員・令3条使用人身元(登記されていないことの証明書等)・誓約書役員全員分の確認漏れ

5要件の全体像

人的要件(経管・営業所技術者等)、財産的要件、そして誠実性・欠格という消極要件の3層で捉えると整理しやすくなります。前者2つは「適格な人がいるか」を、財産的基礎は「事業を継続できる資力があるか」を、誠実性・欠格は「許可を与えてよい者か」を問うものです。一般建設業と特定建設業では、営業所技術者等と財産的基礎の水準が異なる点に注意します。

行政書士が要件確認で担う役割

行政書士の役割は、要件を満たすかどうかの充足判断にとどまりません。満たしていることを確認資料で立証できる状態まで整えることが代行実務の本体です。たとえば経営経験5年は、本人の申告ではなく前職の許可通知書や確定申告書で裏付ける必要があります。受任時のヒアリングで「誰を立てるか」だけでなく「どの資料で証明するか」まで具体化しておくと、後工程の手戻りを減らせます。

人的要件①②:経営業務管理責任者・営業所技術者等の確認手順

人的要件は、建設業許可で最も立証に時間がかかる部分です。該当者の有無だけでなく、常勤性と経験・資格の証明資料が揃うかを早期に確認します。

人的要件の確認手順(経管・営業所技術者等)
人的要件の確認手順(経管・営業所技術者等)

経営業務管理責任者(経管)の確認ポイント

経営業務管理責任者は、建設業の経営業務について5年以上の経験を持つ常勤役員等であることが原則です。令和2年10月施行の令3条改正により、要件を満たす常勤役員等に加え、これを直接補佐する者を置く体制でも認められるようになりました。確認の要点は常勤性と経営経験の証明です。退任後に後任が不在になると要件を欠き、許可の取消し対象となるため、受任時に後継体制まで確認します。経管要件の詳細は別記事で深掘りする予定です。

営業所技術者等(旧:専任技術者)の確認ポイント

営業所技術者等は、2024年の国土交通省の整理で従来の「専任技術者」から呼称が改められた要件です(一般=営業所技術者/特定=特定営業所技術者を含む総称。実務では旧称も併用されます)。一般建設業では、国家資格者、指定学科卒業+所定の実務経験、または10年以上の実務経験のいずれかで満たします。特定建設業では1級国家資格者等が必要で、指定建設業7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)は指導監督的実務経験のみでは認められません。資格があれば証明は比較的容易ですが、10年実務経験で立証する場合は工事の裏付け資料を集める負担が大きくなります。

財産的基礎・誠実性・欠格要件の確認手順

人的要件をクリアしたら、財産的基礎と消極要件(誠実性・欠格)を確認します。この3つは資料が比較的揃いやすい一方、特定建設業の財産的基礎と役員全員分の欠格確認で詰まることがあります。

財産的基礎・誠実性・欠格の確認
財産的基礎・誠実性・欠格の確認

財産的基礎要件と残高証明の確認

財産的基礎の水準は一般と特定で大きく異なります。下表の値を満たすかを直近決算の財務諸表と残高証明書で確認します。

区分財産的基礎の要件主な確認書類
一般建設業自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力、または直前5年間継続営業した実績直近決算の財務諸表・残高証明書
特定建設業欠損が資本金の20%以内・流動比率75%以上・資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上(すべて充足)直近決算の財務諸表

一般建設業で自己資本が500万円に満たない場合は、金融機関発行の残高証明書(500万円以上の資金調達能力の証明)で代替できます。特定建設業は4要件すべてを満たす必要があり、自己資本4,000万円のハードルで詰まるケースが目立ちます。

誠実性要件の確認

誠実性要件は、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことを求めるものです(建設業法第7条3号)。確認対象は役員と令3条に規定する使用人で、実務上は誓約書と登記事項証明書で確認します。過去に建設業法や宅地建物取引業法等で処分を受けている場合に問題となるため、役員の経歴ヒアリングで処分歴の有無を漏らさないことが重要です。

欠格要件の確認と見落とし論点

欠格要件は建設業法第8条に列挙され、破産手続開始決定を受けて復権を得ない者、一定の刑罰歴がある者、暴力団員等が該当します。役員・令3条使用人の全員について確認する必要があり、一部の役員を見落とすと申請後に判明して大きな手戻りになります。新たに役員が就任した際の確認漏れにも注意が必要です。誓約書とあわせ、必要に応じて登記されていないことの証明書等で裏付けます。

新規受任時の要件診断フロー(自社プロダクト連携)

5要件は、立証負担が大きく許可可否を左右する順に診断すると効率的です。確認した要件情報をどう保持するかも、継続業務を見据えると最初に設計しておきたいポイントです。

新規受任時の要件診断フロー
新規受任時の要件診断フロー

5要件を漏れなく診断する順序

おすすめの順序は、人的要件(経管→営業所技術者等)→財産的基礎→誠実性・欠格です。人的要件は該当者と証明資料が揃わなければ申請自体が成立せず、もっとも詰まりやすいため最初に確認します。財産的基礎は決算書で機械的に判定でき、誠実性・欠格は誓約書ベースで最後に固めます。この順序で診断すれば、受任の早い段階で「取れるか・どこを補強するか」を顧客に提示できます。

要件情報を顧客マスタで一元管理する設計

診断で確認した許可業種・経管・営業所技術者等・有効期限といった要件情報は、その後の更新・決算変更届・経審でも繰り返し参照します。Excelで管理すると顧客が増えるほど情報が散逸し、要件を満たす技術者の退職などの変化を追えなくなる余地があります。

建設業許可HUBは、行政書士事務所向けの建設業許可特化クラウドCRMです。許可業種・許可番号・有効期限・経管/営業所技術者等情報を顧客マスタで一元管理し、要件情報を散逸させずに継続業務へ引き継げる設計です。経審スケジュールまで含めた管理は行政書士の建設業許可業務 完全ガイドもあわせてご覧ください。

要件情報を顧客マスタで一元管理
要件情報を顧客マスタで一元管理

よくある質問

Q. 建設業許可の要件は全部でいくつありますか?

A. 大きく5つです。建設業法第7条が定める経営業務管理責任者・営業所技術者等・誠実性・財産的基礎の4要件に、第8条の欠格要件を加えた5要件を、新規受任時にすべて確認します。

Q. 経営業務管理責任者と営業所技術者等は兼任できますか?

A. 同一の営業所に常勤していれば、要件を満たす一人が経営業務管理責任者と営業所技術者等を兼ねることは可能とされています。ただし常勤性が前提で、別の営業所の技術者を兼ねることはできません。具体の可否は申請先の手引きで確認してください。

Q. 財産的基礎要件は残高証明書だけで証明できますか?

A. 一般建設業で自己資本が500万円に満たない場合に、500万円以上の資金調達能力を残高証明書で証明する方法があります。自己資本が基準を満たしていれば直近決算の財務諸表で確認します。特定建設業は財務諸表での要件充足が前提です。

Q. 欠格要件に該当すると建設業許可は取れませんか?

A. 役員や令3条使用人に建設業法第8条の欠格事由に該当する者がいる場合、許可は受けられません。一部の役員の確認漏れで申請後に発覚すると手戻りになるため、全員分を漏れなく確認します。

Q. 行政書士は要件のどこを最初に確認すべきですか?

A. 人的要件(経営業務管理責任者・営業所技術者等)から確認します。該当者の有無と証明資料が揃うかが許可可否を最も左右し、立証に時間がかかるためです。財産的基礎・誠実性・欠格はその後に固めます。

まとめ

建設業許可の5要件診断は、新規受任の最初の関門です。経管・営業所技術者等という人的要件、財産的基礎、誠実性・欠格を、立証負担の大きい順に当てはめれば、受任の早い段階で「取れるか・どこで詰まるか」を診断できます。要件のうち特に詰まりやすいのは人的要件の証明資料収集と、特定建設業の財産的基礎です。各要件の詳細は今後のクラスター記事で深掘りし、要件で確認する技術者・財務情報が直結する経営事項審査(経審)の実務ガイドもあわせて活用してください。診断で確認した要件情報は、その後の継続業務で何度も参照するため、最初から散逸しない形で管理することをおすすめします。


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