実務経験証明書(様式第9号)の書き方|期間・証明者・差し戻し対策【2026年版】
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実務経験証明書(様式第9号)の書き方|期間・証明者・差し戻し対策【2026年版】

2026年8月14日19分で読める

実務経験証明書は、適用ルート、証明者、対象業種、期間、申請行政庁の確認方法を先に確定し、証明者ごとに様式第9号を組み立てます。

実務経験証明書とは、営業所技術者等の要件を実務経験で証明する場合に、使用者が経験内容と期間を証明する様式第9号を指します。

同じ技術者でも、勤務先が変われば証明者が分かれ、複数業種の経験が混在すれば工事内容の切り分けが必要です。前年案件の記載例をそのまま使うのではなく、今回の申請業種、法令上のルート、在籍期間、証明可能な工事、提出先の確認方法を一つずつ確定します。

建設業許可HUBで技術者、工事、証明者、期間を関連付ける場合も、システム上の在籍期間だけで要件充足を自動判断しません。行政書士が一次資料と提出先の現行案内を確認し、その判断根拠と回答履歴を案件へ残すことが前提です。

実務経験証明書が必要になるケース

資格と学歴と実務経験の各ルートから様式第9号の要否を判定する早見図
資格と学歴と実務経験の各ルートから様式第9号の要否を判定する早見図

様式第9号は、すべての営業所技術者等(旧:専任技術者)が提出する共通書面ではありません。申請業種と本人の資格・学歴・実務経験を照合し、実務経験による証明が必要な部分に使います。要件全体は営業所技術者等の資格・実務経験要件で確認し、本記事では第9号の作成単位に限定します。

証明ルート法令上の経験第9号の位置付け作成前に確定する情報運用確認
指定学科の高校・中等教育学校卒卒業後5年以上実務経験の証明に使用学校・学科・卒業・対象工事学科と資料の扱い
指定学科の大学・高専等卒卒業後3年以上実務経験の証明に使用学校・学科・卒業・対象工事学科と資料の扱い
実務経験のみ10年以上実務経験の証明に使用証明者・工事・期間工事記載単位と裏付け
資格・認定該当資格等で判定第9号を使わない場合がある資格証明と対象業種現行の資格区分

出典: e-Govの建設業法7条2号イ・ロ、建設業法施行規則3条2項2号。

様式第9号と営業所技術者等証明書の関係を確認する

建設業法施行規則3条2項は、営業所技術者等の基準を満たす書面として様式第8号の証明書と、ルートに応じた証明書類を組み合わせています。実務経験を使う場合の使用者の証明が様式第9号であり、第8号と第9号の役割を同一視しません。

まず申請業種ごとに、資格・認定、指定学科卒後の実務経験、実務経験のみのどれを使うかを判定します。一人が複数業種の候補でも、対象工事がどの業種の経験を示すかを別々に確認し、要件判定表と第9号の記載内容を対応させます。

法令上の要件と行政庁の証明運用を分ける

建設業法7条2号イ・ロは、高校・中等教育学校の指定学科修了後5年以上、大学・高専等の指定学科修了後3年以上、実務経験のみ10年以上という骨格を定めています。一方、工事をどの単位で並べるか、どの裏付け資料を用いるか、証明が困難な場合をどう扱うかは、提出先の現行手引きと事前相談で確認します。

全国一律の「12か月ルール」が法令にある前提で期間をつなげてはいけません。法令で確定する経験年数と、行政庁へ確認した証明方法を別の欄に記録し、回答元、確認日、参照した手引きの版まで保存します。

様式第9号の記載欄と入力元

技術者と工事と証明者のデータを様式第9号の各欄へ対応させた図
技術者と工事と証明者のデータを様式第9号の各欄へ対応させた図

国土交通省の記載要領では、第9号は建設工事の種類ごと、被証明者一人について、証明者別に作成します。職名は所属していた部課名等、実務経験の内容は従事した主な工事名等を具体化し、合計欄には実務経験年数の合計を示します。

第9号の欄主な入力元照合する情報作成単位第二者確認
証明者法人情報、過去勤務先証明権限、商号・所在地証明者別署名等の現行扱い
被証明者技術者マスタ、本人資料氏名、生年月日一人別本人同一性
使用期間在籍資料、証明者回答入退社・異動証明者別重複・空白
職名組織・人事資料部課名、立場在籍区分別期間との一致
実務経験内容契約書、注文書、工事資料工事名、内容、対象業種建設工事の種類別裏付けとの一致

証明者・被証明者・使用期間を整合させる

証明者を先に確定し、その証明者のもとで使用された期間だけを一枚へ集めます。合併、商号変更、廃業、個人から法人への移行がある場合は、現在の名称だけに置き換えず、どの主体がどの期間を証明するかを資料と提出先への確認で整理します。

被証明者の氏名、生年月日、在籍期間は、技術者マスタ、本人資料、証明者側の記録で照合します。建設業許可の確認資料・証明書の集め方へ回収実務を委ね、受領できた資料名、対象期間、原本の所在を第9号の各期間へ結び付けます。

工事内容と経験期間を具体化する

「建設工事に従事」のような抽象表現だけでは、申請業種の実務経験か判断しにくくなります。工事名、施工内容、担当した技術上の業務、期間を、証明者が確認できる事実と工事資料に基づいて具体化します。工事名だけで業種を推測せず、請負内容や実際の担当を照合します。

経験期間は、工事行の期間、使用期間、他の証明者が証明する期間を横断して確認します。合計欄だけを合わせるのではなく、重複、空白、異なる業種への二重使用がないかを点検し、集計方法と除外した期間も案件メモに残します。

証明者と経験期間を確定してから作る

受任から要件判定と証明者確認を経て様式第9号が完成する工程図
受任から要件判定と証明者確認を経て様式第9号が完成する工程図

第9号は、欄を上から埋めるより、申請業種、要件ルート、証明者、在籍期間、工事の順に事実を確定してから転記すると安定します。確認が未了の期間を合計へ含めず、確定済みと照会中を分けます。

証明者が複数なら証明単位を分ける

前職と現職、複数の過去勤務先に経験がまたがるときは、国交省の記載要領どおり証明者別に第9号を分けます。一枚に複数社の経験を混在させず、証明者ごとの使用期間、工事、証明範囲を確定し、どの書面で法令上の必要期間を構成するかを一覧化します。

証明依頼では、申請に必要な結論だけを求めず、対象者、対象業種、候補期間、工事候補、確認してほしい事項を提示します。証明者の回答で修正が生じたら、修正前の候補を提出版へ残さず、回答日と変更理由を履歴へ記録します。

期間の重複・空白・業種混在を点検する

期間横断表には、開始年月、終了年月、証明者、対象業種、工事資料、採用・不採用、確認状態を置きます。同じ月を別の証明者で重ねて集計する、証明対象外の在籍期間を経験期間へ含める、異なる業種の工事を一括する、といった誤りを行単位で見つけます。

完成後は、申請業種別の必要期間、各第9号の合計、期間横断表の採用期間が一致するかを第二者が確認します。申請書類の補正・差し戻し防止チェックと組み合わせ、手書き修正や版違いが残っていないかも確認します。

行政書士事務所で複数案件を管理する

技術者と業種と証明者と期間を案件横断で照合する管理表
技術者と業種と証明者と期間を案件横断で照合する管理表

案件が増えるほど、同じ技術者の資料を別顧客へ誤って結び付けることや、以前の行政庁回答を全国共通ルールとして流用することがリスクになります。顧客IDと案件IDを基点に、技術者、業種、証明者、期間、確認先を分離します。

行政庁の確認事項と回答履歴を残す

建設業許可HUBでは、第9号の欄、技術者マスタ、工事マスタ、証明者、行政庁確認事項を対応させる管理例を作れます。次の表は自社統計ではなく、確認結果を次回へ引き継ぐための独自編集フレームです。

管理キー記録する内容根拠・証跡更新契機引継ぎ先
技術者氏名、申請業種、要件ルート本人・資格・学歴資料受任・変更第8号・第9号
証明者主体、証明範囲、回答日証明書、連絡記録証明依頼証明者別帳票
工事工事名、内容、期間、業種契約・注文・工事資料資料受領経験行
行政庁確認質問、回答、確認日、参照版手引き、相談記録運用確認今回案件のみ
レビュー重複、空白、整合、確認者期間横断表提出前提出版・次回案件

要件判定と証明単位を先に固める

様式第9号の提出前に要件と証明者と期間と工事資料を点検するチェックリスト
様式第9号の提出前に要件と証明者と期間と工事資料を点検するチェックリスト

提出前には、第9号が存在することではなく、申請業種と要件ルート、証明者別の作成、具体的な工事内容、採用期間、裏付け資料の対応を確認します。行政庁へ確認した項目は、回答元、確認日、参照版をセットにし、別地域へ自動適用しません。

建設業許可の株主調書・使用人数・営業の沿革の書き方と同様、提出版を顧客マスタから切り離して固定します。変更可能な元データ、作成中の版、顧客確認済みの版、提出済みの版を分ければ、翌年の再利用時にも確定根拠をたどれます。

よくある質問

どのルートでも第9号が必要ですか。

いいえ。実務経験で営業所技術者等の要件を証明する場合の書面です。資格・認定ルートは対応する証明書を確認します。

工事間隔が12か月未満なら全国で連続経験になりますか。

建設業法7条2号・施行規則3条には、全国一律の「12か月ルール」は定められていません。申請先の現行手引きと事前相談で確認します。

前職が証明しない場合は自己証明できますか。

一律には判断できません。証明不能理由と利用可能資料を整理し、申請行政庁へ確認します。資料の集め方はorder 34へ委譲します。

まとめ

実務経験証明書は、実務経験ルートを使うことを確認した後、建設工事の種類ごと、被証明者一人ごと、証明者別に作成します。法令上の経験年数と、行政庁が求める工事記載単位・裏付け資料を分けることが、全国一律でない運用の誤用を防ぎます。

建設業許可HUBで技術者、工事、証明者、期間、回答履歴を結ぶと、複数案件でも重複・空白を同じ軸で確認できます。最終判断と証明内容は行政書士が原資料で確定し、提出版とレビュー証跡を次回へ引き継ぎます。


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