般・特新規申請の実務|行政書士が確認する一般・特定の要件差【2026年版】
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般・特新規申請の実務|行政書士が確認する一般・特定の要件差【2026年版】

2026年7月4日22分で読める

般・特新規申請とは、一般建設業許可を持つ顧客が同じ業種で特定建設業許可へ切り替える新規申請です。結論から言えば、行政書士が確認すべき要件差は「下請代金の上限」「財産的基礎」「営業所技術者等」の3点に集約されます。特定が必要になるのは、元請として直接請け負った1件の工事で下請に出す代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合です。

本記事では、行政書士が顧客の建設業者に対して行う般・特新規の確認実務として、一般と特定の要件差を一次情報で対比し、特定が必要になる元請受注額のラインと再確認すべき実務ポイントを整理します。

般・特新規申請で行政書士が確認する一般・特定の要件差
般・特新規申請で行政書士が確認する一般・特定の要件差

般・特新規申請とは|一般→特定への切替申請を1分で

般・特新規申請とは、一般建設業許可を受けている業者が、同一業種について特定建設業許可へ区分を変更するために行う新規扱いの申請です。許可区分そのものが変わるため、変更届や更新ではなく「新規」として審査される点が特徴です。

般・特新規の定義と既存許可の扱い

般・特新規申請をすると、それまでの同一業種の一般建設業許可は、特定建設業許可の取得と引き換えに失効する扱いになります。「一般を残したまま特定を追加する」のではなく、その業種の許可区分が一般から特定へ置き換わります。

審査は新規申請と同じ枠組みのため、財産的基礎や営業所技術者等は特定の基準で改めて確認されます。手数料も新規と同じ区分で知事許可の般特新規は9万円が目安です(区分・自治体で異なるため手引きで確認)。「既存の一般がいったん失効する」前提を顧客へ正確に伝えることが、トラブル防止の起点になります。

業種追加・更新との違い

般・特新規は、業種追加(持っていない業種を増やす申請)や更新(同一区分のまま有効期間を延長する申請)とは別の手続きです。同じ業種で区分だけを上げるのが般・特新規、別業種を足すのが業種追加と整理すると顧客にも説明しやすくなります。

各手続きの違いと期限の全体像は建設業許可の変更届 完全ガイドで種類別に整理しています。最初にどの手続きに該当するかを切り分けることで、必要書類と審査基準の取り違えを防げます。

一般と特定の要件差|下請代金・財産的基礎・営業所技術者等を対比

一般建設業と特定建設業の最大の違いは、下請に出せる金額の上限、財産的基礎の厳しさ、営業所技術者等に求められる水準の3点です。般・特新規ではこの3点すべてを特定の基準で満たす必要があります。

一般建設業と特定建設業の要件差を対比した早見表
一般建設業と特定建設業の要件差を対比した早見表

下請代金の上限差(5,000万円のライン)

特定建設業許可は、元請として発注者から直接請け負った1件の工事で、下請に出す代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合に必要です。一般はこの上限を超えて発注できず、特定はその上限を超える元請工事に対応する区分です(建設業法第3条・施行令第2条、2025年2月1日施行の現行値)。

この基準は過去に「4,500万円・建築一式7,000万円」でしたが、2025年2月1日施行で5,000万円・建築一式8,000万円へ引き上げられました。旧値で説明すると誤った受注判断につながるため、現行値で確認します。

財産的基礎の差

財産的基礎は、一般と特定で要求水準が大きく異なります。下表のとおり、特定は4つの基準をすべて満たす必要があり、一般より格段に厳しくなります。

比較項目一般建設業特定建設業根拠
下請代金の上限制限なし(特定の基準未満で発注)1件の下請総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)に対応建設業法第3条・施行令第2条
財産的基礎自己資本500万円以上 等欠損が資本金の20%以内・流動比率75%以上・資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上(すべて)建設業法第7条・第15条
営業所技術者等国家資格者/指定学科卒+実務経験/10年以上の実務経験1級国家資格者/指導監督的実務経験 等建設業法第15条
主たる対象下請・小規模元請大型工事の元請建設業法第15条

特定の財産的基礎は、欠損の額が資本金の20%を超えないこと・流動比率75%以上・資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上をすべて満たす必要があります(建設業法第15条)。一方、一般は自己資本500万円以上または同額の資金調達能力等で足ります。

般・特新規ではこの判定が直前期の決算で行われるため、残高証明の有効期限や決算のタイミングが論点になります。詳しくは建設業許可の財産的基礎要件で確認できます。

営業所技術者等の差

特定建設業の営業所技術者等(旧称:専任技術者)は、一般より上位の要件が課されます。具体的には1級国家資格者、または元請として4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的実務経験を持つ者などが該当します(建設業法第15条第2号)。

さらに土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の指定建設業7業種では、特定の場合に1級国家資格者等が必須となり、指導監督的実務経験のみでは要件を満たせません。営業所技術者等を含む許可要件全体の審査手順は建設業許可の要件 完全ガイドを参照してください。

特定が必要になる元請受注額のライン|判定の考え方

以下は法令の判定基準を行政書士の確認実務向けに整理した解説です。実際の判定は個別の契約形態によるため、顧客ごとに契約書と発注予定を確認のうえ適用します。

特定が必要かどうかは、会社全体の年間売上ではなく「1件の工事で下請に出す代金の合計額」で判定します。この前提を取り違えると、不要な顧客に過剰な区分変更を勧めたり、逆に必要な切替を見落としたりするおそれがあります。

特定が必要になる元請受注額の判定単位(1件の工事の下請代金合計)
特定が必要になる元請受注額の判定単位(1件の工事の下請代金合計)

判定は「1件の工事の下請代金合計」で行う

判定の単位は、元請として発注者から直接請け負った1件の工事です。その工事で複数の下請に出す代金を合算し、合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になれば特定建設業許可が必要になります(建設業法第3条・施行令第2条)。

重要なのは、同一工事内の下請代金の合算であって、会社全体の年間合計ではない点です。年間で多数の小規模工事を下請に出していても、各工事の下請総額が基準未満なら一般で対応できます。逆に1件の大型元請工事で基準を超えれば、その1件のために特定が必要になります。

般→特の切替を検討すべき受注パターン

行政書士としては、顧客が特定の対象に入る兆候を早期に掴むことが付加価値になります。下表のように、元請として大型案件を複数下請に出すパターンが切替検討のサインです。

受注パターン特定の要否の目安
下請に出さず自社施工中心一般で対応可(下請代金が発生しない)
1件あたり下請総額が5,000万円未満の元請工事一般で対応可
1件で下請総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)の元請工事を受注予定特定が必要
公共工事の大型元請を狙い受注規模を拡大中早めに般・特新規の準備を検討

顧客が「今後は元請として大きな工事を取りたい」と話し始めたら、般・特新規の財産要件を満たせるかを早めに点検しておくと、受注のタイミングで許可が間に合わない事態を避けられます。

般・特新規で行政書士が再確認する実務ポイント|やり直しを防ぐ

般・特新規は新規扱いで審査が厳格なため、要件の確認漏れがそのまま申請のやり直しにつながります。特に財産要件の判定時期と、営業所技術者等の上位要件の確認資料収集が難所です。

般・特新規で行政書士が再確認する財産要件と技術者要件のポイント
般・特新規で行政書士が再確認する財産要件と技術者要件のポイント

財産要件は申請直前期の決算で判定される

特定の財産的基礎は、原則として申請直前の事業年度の決算で判定されます。資本金2,000万円・自己資本4,000万円・流動比率75%以上・欠損20%以内をすべて満たす必要があるため、決算のタイミングと申請時期がずれると、直近決算では要件を満たせず申請できないことがあります。

このため、顧客が特定を目指すなら「どの決算で要件を満たすか」を逆算して準備を始めることが重要です。残高証明の有効期限や決算期との関係は建設業許可の財産的基礎要件で詳述しています。

般・特新規の準備を決算期から逆算するスケジュールの考え方
般・特新規の準備を決算期から逆算するスケジュールの考え方

営業所技術者等の上位要件の確認資料収集

特定の営業所技術者等は1級国家資格証や指導監督的実務経験の証明が必要で、確認資料の収集が一般より重くなります。指導監督的実務経験は元請4,500万円以上の工事で2年以上という条件のため、過去の工事の契約書や注文書まで遡って証明資料を揃える必要があります。資料収集は時間がかかるため、般・特新規の意向を受けた時点で着手し、収集状況を案件ごとに管理することが滞留を防ぐ鍵になります。

建設業許可HUBは、顧客ごとの許可情報・技術者情報をマスタ管理し、般・特新規や更新などの期限を自動計算してダッシュボードとメールで通知する設計です。確認資料の収集状況を案件単位で見える化し、滞留を早期に把握する余地があります。

よくある質問

Q. 般・特新規申請をすると、それまでの一般建設業許可はどうなりますか?

A. 同一業種の一般建設業許可は、特定建設業許可の取得と引き換えに失効する扱いになります。一般を残したまま特定を追加するのではなく、その業種の許可区分が一般から特定へ置き換わると理解してください(建設業法)。

Q. 特定建設業許可が必要になるのは、下請に出す金額がいくらからですか?

A. 元請として発注者から直接請け負った1件の工事で、下請に出す代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合です(建設業法第3条・施行令第2条、2025年2月1日施行の現行値)。会社全体の年間合計ではなく、1件の工事内の下請代金合計で判定します。

Q. 特定建設業の財産的基礎の要件は一般と何が違いますか?

A. 一般は自己資本500万円以上等で足りますが、特定は欠損が資本金の20%以内・流動比率75%以上・資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上をすべて満たす必要があります(建設業法第15条)。要求水準が格段に厳しくなります。

Q. 般・特新規申請で営業所技術者等の要件は厳しくなりますか?

A. 厳しくなります。特定では1級国家資格者または指導監督的実務経験等の上位要件が求められ、指定建設業7業種では1級国家資格者等が必須です(建設業法第15条第2号)。確認資料の収集も一般より重くなります。

まとめ

般・特新規申請は、一般建設業許可を持つ顧客が同一業種で特定建設業許可へ切り替える新規扱いの申請です。行政書士が確認すべき要件差は、下請代金の上限(特定は1件の下請総額5,000万円以上・建築一式8,000万円以上に対応)、財産的基礎(資本金2,000万円・自己資本4,000万円等をすべて満たす)、営業所技術者等の上位要件の3点に集約されます。

判定は会社全体の売上ではなく1件の工事の下請代金合計で行われ、財産要件は申請直前期の決算で判定されます。顧客が大型工事を狙い始めた兆候を早期に掴み、決算期から逆算して準備に着手することが、申請のやり直しを防ぐ要点です。

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